シーカヤックについて、もっと詳しくご紹介します!起源や旅の話など
元々のシーカヤックは、太平洋北部のアリューシャン列島の人々が作りました。
形は現在のツーリングカヤックとほとんど変わらず、素材はクジラの骨やなめしたアザラシの皮を使っていたそうです。
シーカヤックで静かに滑るように進み、アザラシやクジラなどを捕獲していたそうです。
カヌーとカヤックの違いですが、カヌーは丸木舟が源流です。人が乗り込めるほどの太さの大木をひたすらくり抜いて作ったそうです。
日本やハワイなどに海を渡って移り住んだ人々は、丸木舟のようなものに乗って渡って来たと考える学者さんもいます。
今はカヌーもカヤックも使用する素材に違いがないので境界も分かりにくいですが、元を辿るとそのような歴史の違いがあります。
海に漕ぎ出して、ふと見上げると「空ってこんなに広いんだ」と気づきます。海上では視界を遮るものがほとんどありません。
開けた視界があれば、雲の形や流れを観察できます。いつも見ていると、その雲が雨を降らす雲かどうか、30分後の天気がどうなるか、少しずつ分かってくるようになります。
積雲(わた雲)、乱層雲(雨雲)、巻積雲(うろこ雲)、巻雲(すじ雲)、積乱雲(カミナリ雲)。
好きな雲の形も見つけられるかもしれません。
中級者になると潮の流れが強くなる場所や波が大きくなる条件なども学ばなければいけません。「山立て」など、地図と見えるものを頼りに現在地を知る方法も重要です。
雲も雨も、潮も風も、多くの方は普段の仕事で向き合うことがないものばかりだと思います。そんな自然のことを「絶対に考えなければいけない」のがシーカヤックです。
あなたにはそれは必要な時間でしょうか?そのことについて、もしよければ、少しだけでも考えてみてください。
シーカヤックはレジャーだけでなく、旅にも使われます。
「衣・食・住」を細長い船に積み込み、浜辺でキャンプをしながら旅をします。
衣食住の「食」。旅の食事は日持ちがするものを選びます。漕ぎながら食べられるものも重宝します。
何日も人里離れた場所を旅することを想定して食べ物を選ぶとき、「現代の生活から離れるんだなぁ」という感慨があります。
時には食べ物が現地調達できる場合もあります。
ある日、無人島でキャンプをして夕陽に見惚れていると、湾内にトウゴロイワシの群れが中型魚の群れに追い込まれてきました。水面ではあちらこちらで水飛沫が上がり、追う者と逃げる者の真剣勝負が繰り広げられるのを目の当たりにしました。
その真剣勝負の中、必死に逃げるあまりにトウゴロイワシが浜辺の陸地に飛び出してきました。それも1匹、2匹ではなく、次々と。一通り自然の営みが終わった後に浜辺を歩いて見ると、思っていたよりも多くの魚が打ち上がっていました。ざっと300匹ほど。
放っておけば鳥の餌になるだけ。そう考え、自然の恵として数匹を美味しくいただきました。
極まれですが、こんなこともありました。
衣食住の「住」は、テント、寝袋、マットなどです。明かりもとても重要です。
波や風の音を聴きながら進み、波や風の音を聴きながら眠ります。そして、波の打ち寄せる音で起きます。
天気が荒れた日は出航せず、そのままキャンプします。
漁村の人との交流も旅の楽しみです。今でも定期的に連絡をくださる方もいます。
旅をしているときの月はとても眩しく、綺麗です。月ってこんなに綺麗だったのかと感動します。ただ浜辺に座って、ずっと見ていられます。
衣食住の「衣」もできる限りコンパクトにして船に積みます。一度11月の海にはまり寒い思いをした経験から、11月〜3月はドライスーツを着用するようになりました。
旅にトラブルはつきものですが、命に関わるようなトラブルは全力で回避したいですね。水が体温を奪うスピードは空気の25倍です。そんなこともあるので、リゾート大島のシーカヤックツアーは12月から2月まではお休みとさせていただいています。
ツアーには無人島に上陸して、遊んで帰ってくる1day無人島カヤックツアーと
串本町が誇る奇岩・橋杭岩の周辺を周遊する90分間の「橋杭岩シーカヤック体験」があります。
どちらも初心者にも対応したツアーです。橋杭岩でのシーカヤック体験は3歳から、1day無人島カヤックツアーは小学生から参加することができます。
中級者向けのツアーは随時開発中です。